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急性心筋梗塞および急性冠症候群

✔心筋梗塞は、Time is Muscle. 「時は心筋なり」ともいわれる、緊急性の高い病気です。

生活習慣病などの適切な治療によって、心筋梗塞を予防しましょう。

✔当院では循環器専門医が診療にあたっています。

このページでは、急性心筋梗塞について説明しています。

虚血性心疾患(狭心症、心筋梗塞など)の概念について、詳しくはこちら

狭心症、慢性冠動脈疾患について、詳しくはこちら

心筋梗塞を発症した後の治療について、詳しくはこちら

心不全について、詳しくはこちら

急性心筋梗塞とは?

心筋梗塞とは心臓に血液を供給している冠動脈が閉塞してしまい、心筋に酸素が届かなくなってしまう状態です。冠動脈が閉塞する原因には、プラーク(粥腫)の破綻による急速な冠動脈内での血栓の形成などが挙げられれます。(冠動脈解離といった病気のように、プラークの破綻以外でも冠動脈が閉塞する場合があります。)心臓の筋肉は酸素がたりないとどんどん壊死してしまうため、心筋梗塞を発症した際には、なるべく早くカテーテル治療などで閉塞している冠動脈を開通させ、血流を回復させる必要があります。

Time is money. ならぬ、Time is muscle.(時は心筋なり)といわれることもあります。

心筋梗塞を発症すると、多くの場合一部の心筋は壊死してしまい、線維化します。心筋梗塞をおこした後の治療に関しては、心筋梗塞を発症した後のページをご覧ください。

心筋梗塞は突然起こる?

心筋梗塞(急性冠症候群)では、多くの場合、突然のプラークの破綻により冠動脈が閉塞してしまいます。そのため、昨日まで無症状だった方、心電図で異常のなかった方が突然心筋梗塞を発症することが少なくありません。

参考:虚血性心疾患のページはこちら

症状

胸の激しい痛み(圧迫感、締め付けられる感じ、焼け付くような感じ)

胸の不快感や冷や汗

肩、腕、首、顎、背中への放散痛

上記のような症状が有名ですが、単なる胸の不快感であったり、痛みがないこともあります。

狭心症では、胸痛の持続時間は数分程度が多いですが、心筋梗塞では20分以上に及ぶことが多いです。1)

命に関わる不整脈がおこることがあります。

リスク因子

高血圧

脂質異常症(コレステロールが高い)

喫煙

糖尿病

肥満

運動不足

家族歴

慢性腎不全

診断

心電図

ST上昇や、T波の異常などの心電図変化がみられます。

心エコー

心臓の動きが局所的、あるいは全体的に悪くなります。

血液検査

心臓にのみ存在している心筋トロポニンが、心筋が傷害された時には上昇します。その他、包括的な採血が行われます。

その他

心臓CT検査カテーテル検査によって、冠動脈の状態を評価できます。高次医療機関での検査になります。

治療

急性心筋梗塞が疑われた場合は、迅速な対応が必要となるため、速やかに高次医療機関を受診することが必要です。多くの場合では、カテーテル治療や、時によって手術が必要となります。

まとめ

心筋梗塞、急性冠症候群は、迅速な対応が必要な病気です。また、これらの病気は、高血圧や糖尿病、脂質異常症をはじめとした生活習慣病などを適切に治療することで予防が可能です。健康な生活を維持するために、日々の生活でできることをひとつずつ取り組んでいきましょう。

また、心筋梗塞を発症された方も、その後の適切な治療により、よりよい生活ができるようにサポートさせていただければと思います。

よくある疑問Q&A

心筋梗塞と思われる症状があるときは、どうしたらいいですか?

日本循環器学会では、下記のように推奨しています。3)

自分や周りの方に下記のような症状が現れた場合には,ためらわずに救急車を呼ぶようにしましょう。

①強い胸の痛みを感じる。

②ごく軽い動作や安静時にも胸の痛みを感じる。

③胸の痛みが繰り返し起こる,あるいは安静にしても15分以上持続する。

参考文献

1)日本循環器学会:急性冠症候群ガイドライン(2018年改訂版)

2)UpToDate:Overview of the acute management of ST-elevation myocardial infarction

3)日本循環器学会:2023年改訂版 冠動脈疾患の一次予防に関する診療ガイドライン

 

この記事は、より多くの方に病気に関しての知識を深めてていただく目的で執筆しています。病状ごとに、その方に提供される最善の医療は異なるため、治療方針に関しては必ず主治医にご確認ください。

・この記事は、信頼できる専門家の先生方が執筆、監修されているという観点、評価の定まっていない原著論文の引用を控えるという観点から、原著論文に加え、学会発行のガイドラインや、世界的に信頼され、参照されているデータベースであるUpToDateを積極的に参考文献として参照させて頂いております。

・記事の内容に不備、誤りなどありましたら、当院までご連絡いただけますと幸いです。正しい医療知識の普及のため、専門医をはじめとしたプロフェッショナルの方からのご意見・フィードバックを、是非ともお願いいたします。

文責:院長・認定内科医・循環器専門医

最終更新日:2025/1/11

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